お墓の石種の選び方

青木石とG-614

 正式とされている石種を和名に変えて販売する業者もあるようです。和名にすると、国産のように誤解させる目的と思われますが補足でっ正式名称を記して欲しいところですね。

 中国産の石でG-614という石があります。安価で綺麗な石です。安価な為、人気が高く今では希少になりました。このG-614、実は香川県産の青木石によく似ています。

 国産の石で似ている石は人気が高く、山口県産の「徳山みかげ」に似ている石が中国産のG-428で遠目で見るとプロでも誤魔化せるほど似ているのです。

 この他にも有名な国産石「大島石」に似ている石、佐賀県「天山石」、香川県「庵治石」等が人気が高いようです。

 それぞれ中国産やその他の輸入石だから質が悪い訳でもなく良質なものもありますが、やはり良質なものは、お値段が高くなります。

 お墓の質で故人が成仏出来ない事はありませんので、お墓は安価で十分とお考えの方は、それで良いと思います。逆に無理をすると故人は悲しむのではないでしょうか?。

お墓の石種の選び方

黒御影、青御影、桜御影

 よく、広告等で目にする「石種」の詳細箇所に「黒御影」などと記されているものがあります。しかも、「黒御影」とだけ記され正式な石種名は記されていません。

 ご想像通り「黒御影」は一般に黒系の御影石ですが、「黒御影」でも中国産のG654平和や長泰と印度産の「インド黒」や中国産の「山西黒」とでは値段が倍近く違い質も違います。

 青御影は白御影とも表記されている石材店もあり一般ではグレー(灰色)色を指します。真っ白な御影石は極希少かと思われますが、白か黒か2択で選ぶとグレーは白になり、白御影というと白のイメージが強くなる為、「青御影」と呼称するようです。

 桜御影はピンク又は赤系の御影石で洋墓に使用される事が多く、施主様が女性又は若年の方に人気があります。代表的なのが「マホガニー」で中国では「桃木心」と呼ばれ、産地が中国の場合は「中国桃木心(又は中国マホガニー)」、印度の場合「印度桃木心(又は印度マホガニー)」産地は色々あって欧米産のものもあります。

お墓の石種は全部「御影石」

 よくお客様で「みかげ石で造って欲しい」と言われます。一言で「御影石」と言っても何百種類とあることを伝えると「ビックリ」されます。御影石は正式名称が花崗岩といい英名ではグラニット(granite)です。花崗岩は世界中に広く分布し、その全てが石材として良質とは限りません。因みに皆さまがご存知の真砂土は花崗岩が風化したものですが花崗岩(御影石)で造ったお墓が100年200年位ですぐに真砂に変わるわけではありません。

 良質な御影石は硬度が高く吸水率も低いもので硬度が高いと丈夫で磨きによる光沢度が高く吸水率が低い事により凍結による劣化が無く鉄鉱石が含有している場合でも錆が出ません。

 よく経験するのが50年経過した徳山みかげで建立されたお墓は肉眼で見る限り、当初の磨き技術にもかかわらず光沢がそのまま残っているのに驚きます。

 反面、硬度が低いと光沢は低く、吸水率が高いと次第に表面から劣化兆候が表れ鉄鉱石が含有していた場合、錆が染み出て変色します。とはいえ、悪い石でも建立後、溶けて変形したり倒壊する事はありませんのでご安心下さい。

 加工の面からいっても硬度の高い御影石は最終研磨まで手間と労力を要し、硬度の低い石は加工し易いので価格に大きく反映されます。これは一般の方では経験出来ませんが、建立現場で板石を張る工事で寸法合わせに現場で切削する事がありますが硬度の高い石と低い石とでは同じダイヤモンドカッターで切っても速度が全く違います。

中国の石は質が悪い??

 中国福建省は600番台で黒竜江省は1000番台(又は1から始まる数字)というように中国産の石は産地により番号が決められているようです。

 大半の方は「中国産は質が良くないと聞いたのですが・・」と言われますが、日本国産の石でも質の悪い石は沢山あります。世界中どの国土でも同じ事が言え、中国産でも良質な石はあります。

 では何故、中国産は悪いというイメージが付いたのでしょうか?答えは安価を追及した為です。中国で生産すると人件費が安く、輸入運搬費用等を考慮してもコスパは良くなります。しかも安価な石を使えば更によくなり、日本国内で販売する場合、国産よりも安価で提供できるからです。

 当然、質の悪い石ですから変色したり欠けやすくなったりします(変形はしません)。そうするとユーザーからは中国産は悪いというイメージがつきますので中国産は悪いという概念が生まれてきたようです。

 石材に於ける中国の製品化の技術は非常高く(工場にもよりますが)良質な石材で製品化すれば日本の高い人件費で高級な石材で製作するより、かなりお得とも言えます。

黒い石はダメ?

 「これなんかは如何でしょう?」と黒系の展示品をお薦めすると「黒い墓は縁起が悪い」と言われる方がおられます。

 東北地方では黒い石が多く採石されるようで黒いお墓が多いようです。山口県内でも長門地区では黒い墓が多く童謡詩人「金子みすゞ」のお墓も黒いお墓です。

 このように仏教上でも黒いお墓は悪いという事はなく縁起が悪い訳でもないようです。施主様の好みもありますから特にお薦めすることはありませんが黒系のお墓は光沢が綺麗で晴れた日には拝む姿が鏡のように映し出され美しさでは他の色の比になりません。

 反面、ほこり等が目立ち易く神経質な方には向かないかもしれません。

お墓の石種の選び方

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2016年10月02日|サポート情報:建墓