生前墓は縁起が良い

寿陵(逆修墓)

お墓の石種の選び方

 山口県周南市-慈福寺-足利尊氏の逆修墓

 「生前にお墓と建てると縁起が悪い?」と言われる方がおられます。答えは真逆で縁起が良いのです。「墓石店の企み!」と言われそうですが、実は生前にお墓を建立する事は日本でも古くから行われてきました。

 写真は足利尊氏の生前墓で中国では秦の始皇帝が生前に建立、日本でも聖徳太子や昭和天皇も生前の建立しています。

 これらの生前墓を逆修墓(ぎゃくしゅぼ)と呼称し生前に自分を弔い新たに生まれ変わり健康長寿を願う意味が込められているとされてます。中国では寿陵と呼ばれ前述通り、世界遺産でもある万里の長城や自身のお墓でもある兵馬俑を築いた中国初の統一を成し遂げた始皇帝のお墓も寿陵と言われてます。

 厳格にいうと「生前墓」は生前戒名は受けず、「逆修墓」は僧侶より生前戒名は受け、その戒名を墓石に刻み朱を施します。これは別ページでも取り上げていますので是非ご覧ください。

 また、生前墓は将来、自分の落ち着く場でもあるため、自分の好みで予め用意でき受け継ぐ子孫の負担の軽減にもなりますし相続税の対象にはなりません。

 亡くなってから建立だと好ましいとされる満中陰(四十九日)の納骨に間に合わない可能性もありますので是非、生前整理の一環として考えられては如何でしょう。

何故、縁起が悪いと?

 ひとつの理由として生前墓を建立希望する人は高齢者が多い事が上げられます。弊社の来客者で生前墓を希望される方には当然、若い方はいません。若い方は仕事や子育て・育児で追われて「死」や「死後」を考える暇はないからです。

 晩年をゆっくりと過ごしている時、友人や知人が亡くなり自分の「死」を考える時が、訪れ新家であれば「お墓」が必要と考え始めます。丁度その頃は老衰し始めている為、建立後に比較的早く亡くなるケースが多いのが必然と考えられます。

 そうすると遺族は無念でやり場のない悲しみを「生前に墓を建てたから死んだ」に結び付けてしまうと考えられます。

 弊社を訪れる施主さまの中には自分の死期や配偶者の死期が判っておられ生前墓を希望される方が以外と多いです。それは来店当初は判らなくても、ご本人(施主様)が亡くなってから、ご遺族の方から連絡があり納骨のお手伝いをさせて頂く際にご遺族の方から「実は亡くなった本人は〇〇だったのです」、「実のところ建立が間に合って良かった」、「本人も入るお墓が見れて喜んでました」等と聞かされます。

 勿論、ご老人が生前整理として計画し来店され建立され、弊社が毎年年末に弊社特製カレンダーを居宅にお運びする際、十数年経った今でも健康で雑談される方も沢山おられます。

武田信玄と上杉謙信も戒名

 川中島の戦いで有名な武田信玄と上杉謙信、武田信玄は「晴信」→出家し「信玄」と名乗り、織田信長や一向一揆(現浄土真宗)とも戦った上杉謙信は元服後「景虎」→「政虎」→「輝虎」→「謙信」と改名していますが「謙信」も生前戒名、昔の人の信心深さが今の神社仏閣を建立、保護し現在に至っている。

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2016年10月02日|サポート情報:建墓, 豆知識