一石とは?

一石とは?

一石五輪塔

 古い墓地やお寺の墓地に行くと見かける五輪塔。通常の五輪塔は5つの部材から構成されてますが、偶に一つの石から切り出し(彫り出し)た五輪塔を見かけます。五輪塔のお墓を造っていたのは江戸以前ですが、何百年も経年しているものは倒壊していたり欠損していたり劣化がみられます。しかし、一石で造られた五輪塔は傾きは見られても部材の滑落や倒壊は見られません。昔の職人さんの知恵とも言えます。現在の電動道具をもっても造るのは大変な労力ですが、昔は機械が無く全て人力で削って造っていましたから「凄い」としか言えません。

現在でも部材数は少ない方が良い!

一石とは?

 「一石」これは現在の建立方法でも当てはまり、なるべく分割せずに一つの石で造る方が望ましいといえます。

 現在の舞台墓の部材は下から芝台・壁石・天板・中台・上台・竿石からなりますが、大きい部材は天板・中台・上台です。小型重機が入らない墓地では運び込みや据付が人力になる為、これらを2つ~4つに分割し建立します。結合部分は石材用ボンドで接着しますが、何百年も経年するとボンドは劣化すると思われますから、ボンドが劣化しても離れたり落ちたりしないように分割を行います。ボンドが無い時代は重ねるだけの工法で地質さえよければ地球引力で現在でも狂わず建っています。

 しかし、なるべく分割を行わない方が良いのは確かです。但し、現在のお墓の形を全て一石で造る事は不可能です。

 

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2017年03月02日|サポート情報:ご遺族の方へ, 建墓, 豆知識