名誉棋聖「藤沢秀行」「狭苦しい墓には入らない。美しい周防灘の海から世界へ旅立ちたい」秀行の遺志により、2009年10月13日、山口県周南市大津島沖で散骨が行われました。
モニュメント「磊磊・海への旅立ち」除幕記念展
藤沢秀行名誉棋聖書展
モニュメント「磊磊・海への旅立ち」除幕記念展
会期●2010年10/16土→10/24日 午前9時30分~午後5時
会場●周南市美術博物館ハイビジョンギャラリー(観覧無料)
(入館●午後4時30分迄●最終日午後3時閉館●月曜日休館)
特別出品●柳田泰雲・柳田泰山
強い棋士であった
しかし何より
人々の心に夢をかきたてる男だった
個性的な碁は「異常感覚」、自由奔放な生き方は「八方破れ」と言われた。
妥協なく自己を生き切り、周防灘から旅立っていった棋士、藤沢秀行。
そのモニュメント「磊磊・海への旅立ち」が周南市大津島に10月17日完成。
書作品を中心に、生涯を辿る写真、遺品を展示。秀行の生きざまに迫る。
大丈夫
心配ない
死ぬまで生きる
心
そうだ、海がいい
昔々、遼い国へ船出した者達のように
美しい海、周防灘から旅立ちたい
世界を巡る大いなる旅だ
あぁ、愉快だねえ、楽しみじゃないか
迷走
あっちへこっちへ
どこに向かうかわからぬまま
せっかちだから歩いていられず
走り回って迷い続けた
転んで、倒れて、起き上がるが
またぶつかってヨロヨロと
八十過ぎて
いまだに何もわからない
迷って走り続けている
無悟
一生、悟ることはない
碁がわかることは決してない
初の棋聖位に就いた時そう思った
しかし知りたかった
まだ見ぬ世界を見たかった
遊
若者よ 遊べ
もっと遊べ
自由の天地に遊び
人間を知れ
力を蓄えよ
磊磊 らいらい
志を巡るものなし
思いのままに大きく生きる
オープニングセレモニー 10月17日(日)午後4時20分(周南市美術博物館ロビー)見学自由
●主催/モニュメント「磊磊・海への旅立ち」制作実行委員会・秀行企画・泰書曾
●協賛/周南市・山口放送・読売新聞西部本社
●間合せ先/秀行企画 〒356-0056ふじみ野市うれし野2-10-2-208 TEL 070-5541-3694
E-Mail:info@shukokikaku.com
藤沢秀行名誉棋聖書展
モニュメント「磊磊・海への旅立ち」除幕記念展
ご挨拶
昨年5月、戦後日本を代表する棋士であった藤沢秀行名誉棋聖は他界されました。その遺志により周南市大津島沖の周防灘で散骨が行われ、大勢に見送られて旅立たれました。これを記念したモニュメント「磊磊・海への旅立ち」が10月17日に除幕式を迎えます。多くの方の募金により完成致しましたこと、心から御礼申し上げす。
波に抱かれて海を旅ゆく、というイメージのこのモニュメントは、彫刻家・中島幹夫氏(新制作協会会員)による手彫りの作品です。氏は長年、大津島にアトリエを構え、大津島産の御影石での作品制作に取り組んでおられます。モニュメントには名誉棋聖の書「磊磊」、志を高らかに詠んだ散文詩「旅人」が刻まれています。碑の制作にあたり、散文詩「旅人」は日本を代表する書家・柳田泰山氏に揮耄していただきました。
本展覧会はモニュメントの除幕記念展として開催されます。「磊磊」をはじめ、秀行先生の個性溢れる書作品、足跡を辿る写真パネル、貴重な遺品、モニュメントに関する展示を行います。
「磊磊(らいらい)」は「途方もなく大きいこと。志を遮るものなし、思いのままに大きく生きる」という意味で揮耄されたそうです。本展覧会で藤沢秀行名誉棋聖の魅力に触れ、大津島に建つモニュメントの素晴らしさを知っていただければ幸甚です。
平成22年10月
モニュメント「磊磊・海への旅立ち」
制作実行委員会
藤沢秀行経歴
1925年年6月14日、横浜に生まれる。囲碁棋士。名誉棋聖。戦後を代表する棋士として活躍、数々のタイトルに輝く。棋聖は六連覇。
個性的な棋風、破天荒な生き方。アルコールとの闘いはやがて三度に渡る癌との闘いへ。リンパ癌の後に達成した史上最高齢(67歳)のタイトル保持記録は今も破られていない。後進の指導に力を尽くし、海外でも多数の棋士を育て敬愛されている。
常識破りだが天真燗漫な明るさ、碁への情熱を胸に人生の難局を乗り越えていく姿は、囲碁愛好家に留まらず多くの人に勇気と感銘を与えた。
若い頃から書の揮耄を好み、その作品は高く評価されている。1990年、柳田泰雲の指導により銀座松坂屋画廊で初の個展。以来、度々個展を開催、泰雲没後は柳田泰山のもとで書作に励んだ。1994年には厳島神社千四百年祭記念の書を揮耄。
1998年に現役引退。末期の前立腺癌、さらに脳挫傷、度重なる肺炎をものともせず、若手棋士の育成に心血を注いだ。2008年、左大腿骨骨折のあとも書作品を揮耄し、同年12月、銀座松坂屋画廊で「第六回藤沢秀行書展」を開催。口癖の「大丈夫。心配ない、死ぬまで生きる」と笑いながら入院先の病院より車椅子で通った。書展のために最後に書いたのは自身の生き方を表現した作品「迷走」だった。
2009年5月8日、誤嚥性肺炎で逝去。享年83歳。絶筆は病院のベッドで書いた「強烈な努力」。生前に本人が「何ひとつわからなかった男」という意味で考えてあった「無明居士」が戒名である。
同年10月13日、遺志により周南市大津島沖の周防灘に散骨。
碁は芸である
碁には個性、生き方、その人間の
すべてがあらわれる
人間を高め、力をつけよ
自分にしか打てない碁を探求せよ
藤沢秀行
Memorial of 藤沢秀行
●中国・北京 「藤沢秀行記念室」
2010年4月オーブン
●東京・台東区小野照崎神社
記念碑「強烈な努力」2010年8月竣工
●山口県・周南市大津島 モニュメント「磊磊・海への旅立ち」
2010年10月17日除幕式
●沖縄県・南城市「藤沢秀行記念館」
2011年オープン予定
[展覧会のごあんない]
藤沢秀行名誉棋聖書展
モニュメント「磊磊・海への旅立ち」
除幕記念展
●特別出品:柳田泰雲・柳田泰山
■会期/平成22年10月16日(土)~24日(日)午前9時30分~午後5時
●10月18日(月)は休館日●最終日:午後3時迄●入館:午後4時30分迄●観覧無料
■オーブニングセレモニー/10月]7日(日)午後4時20分より周南市美術博物館ロビーにて(見学自由)
■会場/周南市美術博物館ハイビジョンギャラリー山口県周南市花畠町10-16TEL O834-22-8880
■主催/モニュメント「磊磊・海への旅立ち」制作実行委員会・秀行企画・泰書會
■協賛/周南市・山口放送・読売新聞西部本社
■問合せ先/秀行企画 〒356-0056ふじみ野市うれし野2-10-2-208 TEL O70-5541-3694
E-Mail:info@shukokikaku.com