人間魚雷回天の発射訓練
この回天発射訓練基地跡は、昭和14年(1939)に建設された「九三式酸素魚雷」の発射試験場を、人間魚雷回天の発射訓練に活用したものです。
「九三式酸素魚雷」は、昭和8年(当時の日本暦二五九三)に製作されたもので、長さ8.5m、直径61cmで、速力は50ノット(おおよそ90km)で、世界で最も優れた兵器のひとつでした。
この魚雷の発射試験場は、魚雷を調整工場(現大津島小学校地)からトロッコに乗せて、トンネル(隋道)を通って、ケーソン(鉄やコンクリート製の箱)で構築された発射台まで運び、天井クレーンで台の穴から海面に降ろして行われていました。
昭和19年9月5日から、この施設を利用して回天の発射訓練に使用することになりましたが、「九三式酸素魚雷」を改良して人か乗れるようにした回天は、長さ14.75m、直径1mあり従来の穴から降ろせないので、別にクレーン(起重機)を設置して、突堤から海面に降ろしました。(今もクレーンの支柱跡が残っています。)
ここを起点として発射訓練か行われ、馬島回りのコースや大津島回りのコースなどありました。
なおトンネルは当時のもので、長さ247m、入口の幅3.5m、高さ4mで、中央部の複線で広くなっている所には、当時を回想する7枚の大きな写真か展示されています。
周南市都市整備課