墓じまい(墓終い・引墓)
墓じまい(墓終い・引墓)とはお墓を解体撤去し墓地を更地にすることです。広義ではお仏壇も廃棄処分する事も含みます。
理由として挙げられるもの
- 1.墓守をする方がいない又はいなくなる。
- 2.お墓が遠方又は山奥で大変だから。
- 3.将来を見据えて事前に行う。
- 4.子供たちが都会から帰らない。
- 5.お墓が点在して守が大変だから。
などの理由で墓じまいする方が多いです(2020年9月時点)。
ここではその「墓じまい」について手順や注意点・メリット・デメリットについて詳しく解説致します。
墓じまいのメリット
- 1.定期的にお墓参りをしなくてもよい。
- 2.定期的にお墓の掃除や雑草処理をしなくてもよい。
- 3.管理費を払わないで済む。
- 4.定期合同清掃などに参加しなくてもよい。
- 5.子供や子孫に負担をかけなくて済む。
墓じまいをすることでの最大のメリットは墓守への解放感と子供や子孫への安堵感が得られる事です。
墓じまいのデメリット
- 1.墓じまいする為のそれなりの料金が必要。
- 2.僧侶や神主さまに魂抜きなどのお布施などが必要。
- 3.檀家・門徒・氏子以外の神社やお寺などに何らかの名目料を払う必要がある場合がある。
- 4.お骨の処理に料金が必要になる(合祀・無縁・散骨)。
- 5.納骨堂や納骨壇など骨壷を納める料金が必要。
- 6.納骨を行った際に儀式にお布施などが必要。
- 7.疎遠になった兄妹や親戚に相談する必要がある。
- 8.新たな不幸があった場合、埋葬が限定的になる。
- 9.お寺との縁を切った場合「離檀料」などが必要な場合がある。
- 10.ご先祖や親族が建立したものを処分する事へ申し訳ない気持ちになる。
墓じまいをすることで安堵感を得られ面倒からも解放されますが最大のデメリットが大金の出費です。
墓じまいの手順
1.墓地の管理者確認
最初に行う必要があるのが、お墓のある墓地の管理者確認です。墓地には1.公営(県市町村)2.寺院・神社 3.私営・村墓地などの3種類あります。
公営墓地
公営墓地の場合、墓地区域内に何らかの管理者掲示がなされています。公営墓地の場合は沢山の手続きが必要です。
- 1.継承手続き(墓地名義変更)[戸籍謄本抄本]
- 2.改葬許可申請(お骨の移動)[戸籍謄本抄本][住民票・除票]
- 3.返還手続き(墓地の返還)
寺院墓地(又は神社)
寺院や神社の墓地の場合はそれぞれ申請する必要があります。お骨の移動が伴う場合は改葬許可が必要となります。廃寺や廃社の場合は村墓地扱いになります。
私営・村墓地
私営の墓地の場合は施設管理者に申請を行って下さい。村墓地ともいわれる地域限定墓地(古い場合が多い)の場合はその墓地の管理者に申請を行って下さい。不明な場合、管理者の掲示板等を探し無い場合は管理者が不在の場合もあります。
2.埋葬者の確認
処分するお墓へ埋葬されている方の確認が必要です。確認後は文章に残し後々の為に保管しておきましょう。
3.菩提寺や親族確認
お世話になっているお寺や神社にも相談する必要があります。
宗派や僧侶によってはお墓の仏石を廃棄処分する事を拒む方がおられます。一度確認する必要があります。
抜魂(ばっこん)
お墓には魂が宿ると云われています。宗派にもよりますがお墓を廃する場合この魂を抜いたり仏様に退いて頂く必要があります。
お墓に参って下さる御親族には必ずその旨を知らせる事が賢明です。お骨に関し思わ情報が得られる場合があります。
4.業者の決定確認
何らの事情により期限がある場合は業者に確認する必要があります。
- 1.納骨の日が決まっている。
- 2.別の法事の日に合わせる。
- 3.何らの節目(命日・正月・お盆・彼岸・年末)。
業者によっては忙しい時期と重なる場合は出来ない場合もありますので確認が必要です。
信頼於ける業者か?
- 1.正規ルートで処分しない。
- 2.お墓や周辺部材の放置。
- 3.手続きなどの代行拒否。
- 4.安置希望仏石の無断廃棄。
- 5.骨壷の掃除を怠る。
このように手抜きともいえる行為を行っている業者も存在します。値段が安いからだけの理由で選択することは避けた方が良いでしょう。
抜魂日の通知
抜魂を行う方は抜魂の有無と抜魂終了日を業者通知する必要があります。有無と終了日により業者はスケジュール調整を行います。<抜魂についての注意点>
5.処分後の墓地やお骨の確認
業者によっては更地化された写真を頂けるところもありますが実際に拝見される事をお薦め致します。また、お骨の処理過程も撮影する業者もいます。
仏石の安置をされた方は可能であれば安置場所へ確認すると安心出来ます。
6.墓地管理者報告
公営墓地の場合は返還届けを提出します。その他の墓地も完了報告を行う事をお薦めします。
7.納骨式
日時を決めてお骨を納めた施設などに僧侶や神主を招き納骨の儀式を行って下さい。必要な方を招く場合は事前にお知らせして下さい。