お墓の中の骨壷の判別

誰の骨壷か判らない

骨壷判別

 墓じまい(墓終い)・お墓の移転(改葬)・分骨などをする時、特定者のお骨がどれなのか知りたい方が結構おられます。

 父母だけのお骨を別な場所に埋葬したい。お世話になった姉のお骨を分骨したい・・。業者であれば判るのでは?

名前や戒名が刻まれた骨壷

 骨壷の種類は豊富で生前のお名前(俗名)や戒名(法名)が記されている骨壷もあります。一般的に、こうした骨壷は葬儀社などから施主に「どの骨壷にされますか?」と尋ねられ決められます。通常、高額ですし余程の周到の方でない限り名入りの骨壷は選ばないものです。

 丁寧な方は納骨前に骨壷の蓋の裏面に俗名や戒名等をマジックペンで書かれていますが書かれた方も将来これが役立つとは思ってもみなかったでしょう。

 また、禅宗ではお寺によって和紙の札を一緒に骨壺に入れるところもあります。その和紙にはお経が記されており故人の戒名が書かれてる場合もあります。ところが、お骨はカルシウムの為、年月と共に水分を引き最後には骨壷一杯に水で満たされます(避ける為底に穴が開いたものもある)。その水分が和紙を湿らせ劣化し文字の判別が出来なくなります。

判別方法

 結局、専門機関にお骨を持って行き鑑定をしない限り、お墓などを扱う業者であっても骨壷等に明記されていない限り判別は出来ません。

焼骨から判別

 近代医学の発展で今や癌も治せる時代が到来しました。平均寿命も伸び近い将来人生百年が当たり前になる時代も近いでしょう。江戸時代から明治初期あたりまでは夭逝で亡くなる方も珍しくありませんでしたが、それ以降はお墓に入るお骨のペースが祖父祖母、父母というように同世代で2人が一般化してきてます。

 焼骨方法も時代と共に変化して現在の火葬場では炉で焼骨します。元々は人は土葬で埋葬されていましたので今のお墓の中に土葬当初のお骨は殆ど無いと思われます。明治政府により土葬が禁止されましたが地方では昭和40年代まで土葬が行われていたところもありました。

 同時に明治政府は土葬禁止と共に個人墓を禁止し家墓を推奨しました。そこで人々は寄墓を行い点在していた縁者のお墓を掘り起しお骨を拾いあげ一つのお墓にまとめました。

 また、同時に土葬を辞め村や集落で簡易火葬場を墓地に作り死者が出た時はその集落の人々が交代でお骨になるまで火が絶えないように番をしました。当初の火葬場は薪などで人体を焼いていたので3~7日かかった模様です。

 それとは別の方法もありました。死者が出ると一度お骨になるまで土葬を行いお骨になると掘り起しお骨上げをし自分のお墓に埋葬する方法もとられる集落もありました。

業者はこうして判別

 このように焼骨方法が異なればお骨の扱いに慣れた業者であれば新旧の判別が可能です。夫婦が同時期に亡くなっておられ同じ方法で焼骨等をされていた場合は夫婦の区別の見当は付き難いですが骨壷の形状により男女の見当がつけられる場合もありますし、お骨の形状などからも見当がつけられる場合もあります。

 世代も30~40年も離れていれば焼骨が炉で行われたものか薪で焼かれたものか一時土葬のものか完全土葬のものか子供なのか大人なのか等のお骨を見ると見当判別が可能です。

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2020年09月24日|サポート情報:墓終い