墓地の選び方

 ここでは、墓地の広さと建立の際の注意点など詳しく、お話致します。墓地を既にお持ちの方、今から墓地購入をお考えの方、必見です。

墓地が広いと損?得?

墓地の選び方

 ある、お客様が8寸舞台墓を希望され墓地の場所をお尋ねすると「うちは墓地が広いから何の問題もありませんよ」と言われ営業車両に同乗し現地に行ってみると言われた通り、村墓地(民営・共同墓地)で広い墓地でした。

 「お客様?この墓地全部を使われる御つもりですか?」と尋ねると「えっ!」と不安な表情をされながら「この墓地のど真ん中に・・えっ?無理なの?」、「墓地の広さは何の問題もありませんが、これだけ広いと余計な費用が嵩みますよ」

 通常のお墓は所有墓地を石で囲い、その中心にお墓を建立します。当然ながら広いと、それだけ石の量が増えますし据付も大変になります。その上、最近は雑草防止に石の板を隙間に貼り付けます。例え、それでも良いと建立すると建立後、お墓より隙間が広くなり美観を損ないます。それを避けるためには

  • お墓を大きくする
  • 物置台(椅子)や灯篭を設置する
  • 玉垣を巻く
  • 墓地を狭くする
墓地の選び方

 お墓を豪華に建てたいという方には何の問題もありませんが、普通に建てたい方であれば「墓地を狭くする」です。多くの方が墓地を全部使うしか選択肢が無いと認識されてますが、決められた面積以上に広くすることは出来ませんが逆に狭くするのは自由です。それどころか周囲を見て2件分や3件分の墓地があるのであれば管理者に相談し分家やご親戚、又は他の方に使って頂くのも得策と言えます。墓地は永代に借りているもので「自分の土地ではありません」ので損?にはならないのです。「小さいお墓で」とお考えの方は墓地そのものを小さくする事をお薦め致します。

 

墓地の種類は3種別

墓地の選び方

 現在の墓地は市営や区営の公営墓地、寺院が管理する寺院墓地、村・地域や会社が管理する村墓地(民営・共同墓地)の3つに分けられます。

 共通点は一度権利を得ると永代に使用できる永代使用権が発生する為、代が続く限り使用することが出来ます。ただ、墓地全体の掃除や経年劣化による設備の修理などが必要になる為、最初に支払う墓地代金とは別に年間管理料を徴収されることもあります。

公営墓地(市営・区営など)

墓地の選び方

 墓地開発された時期が新しい場合は碁盤の目のようにきちんと区画整理され、水道やゴミ箱などもあり、駐車場も設置され、墓参に何の不満もありません。しかし、同じ公営墓地でも無住で廃寺された墓地を市や区が引き継いだ公営墓地もあり、そのような公営墓地は何らかの墓参に必要な設備が欠けていたりします。とは言え、利用者の意見や要望を聞き入れてくれるのは公営墓地の最大メリットです。

【価格は?】

 墓地の価格は一律では無く、立地条件や面積により適正価格が付けられています。又、年払いの「管理料」が必要な場合もあります。

公営墓地の場合、墓終いや移転改葬の為、返還すると永代使用料が一部、返金されることもあります。

寺院墓地(神社は希少)

墓地の選び方

 浄土真宗を除く他の宗派の多くは墓地を保有している事が多く、本堂(ご本尊)に近い墓地はご先祖に総代を務めた方や貢献された方がいた場合が多い傾向にあります。浄土真宗のお寺には浄土真宗開祖(親鸞)の教えにより墓地が無い事が多く門徒さんは他宗の墓地をお借りする事もあり、これを「墓門徒」と呼びます。※但し弟子の建立により親鸞のお墓はあります。

 寺院墓地では基本、そのお寺の檀家でないと墓地は使用できませんが、近年では他宗であっても受け入れてくれる寺院もあります。

【価格は?】

 檀家さんの場合と他宗の場合では値段が違う傾向にあります。寺院墓地の場合は寺院が管理運営致しますし「格式」がある為、比較的、価格は高い傾向にあります。又、年払いの「管理料」が必要な場合もあります。

 神道(神社)の場合は「死」は穢れと説いてますので境内や近くに墓地は皆無ですが納骨堂の需要により境内とは離れた場所に納骨堂を建立している神社もあります。

村墓地(民営・共同墓地)

墓地の選び方

 元々は、その集落の住民が居宅に近い場所でお参りし易いように墓地を定めたもので、現在では勝手に墓地を造る事は法律で認められていません。当初は、その集落や地区の方しか使用出来ませんでしたが、近年では過疎化が進み、管理する為の費用や労働力が減ってきたため、どなたでも使用する事が出来る傾向にあります。

 管理は使用者全員でし、多くは年に1回若しくは2回の合同清掃があり、都合上、欠勤した場合は少額の「不勤料」を納める制度にしている墓地も多いです。

 村墓地(民営・共同墓地)の場合、代表管理者を定めている墓地、定めない墓地、年毎に代表管理者を持ち回りで定めたりと様々です。墓地が私有地の場合は所有者が管理を行っている事が多いです。

 村墓地(民営・共同墓地)はその性質上、管理が甘く、代金を払っていても長年放置していた場合、勘違い等で違う人が勝手にお墓を建立したり、どこだったか判らなくなったりされる方も多いです。例え管理者を定めていても慈善管理者(無料で)の事が多いため責める事は出来ませんので、ご自分でしっかり管理する事が重要です。

【価格は?】

 価格は他の墓地より格段に安い傾向にあります。使用者同士の売買を禁じている墓地では初回の管理料数万だけというところもあります。立地条件の良い墓地では公営墓地等と同等の金額で取引されるところもあります。いずれにしても、その墓地の使用者全員が管理や修繕費用を負担することになる為、最低限の使用料や年間管理料が必要になります。

選んではいけない墓地

墓地の選び方

 駐車場もなく徒歩で登って参る墓地は石材店据付職人泣かせで多くの労働力と時間を費やします。建立後その苦労はそのまま施主様にも値し墓参の際に大変な労働になります。このような墓地には水道は無くペットボトル等で持って上がらないと献花も出来ません。今は足腰が丈夫でも年を重ねる毎に衰え、やがて登れなくなるのが現実となります。

 逆に現在では、このような難所墓地から移転(改葬)される方が多く、過去に墓碑があった痕跡がある空き墓地が多く存在します。例え居宅から遠い墓地でも駐車場のある平坦な墓地を選択された方が賢明です。

 万一、お墓の建替えをお考えの方は分家や親族の方と相談し容易に墓参が出来る墓地を選んで下さい。

未使用の墓地は希少

 居宅近くで墓地を探される方の多数の方は「購入する墓地は当然、更地」と思われてます。更に条件は「出来るだけ安価で」が付きます。当然、墓地に限らず万物、安価良品が良いのは共通ですが、中々、世の中そんなに甘くありません。

 少数ですが未使用墓地があるのは寺院墓地で公営や村墓地では滅多にありません。本来、仏教上、お骨は土中に埋葬するもので骨壷のまま納骨するものではありませんが、山口県に限っていえば、殆どの方が骨壷のまま納骨されているので墓地の地下に埋葬されているわけではありません。物理的にはお墓を撤去されていれば更地と言っても過言ではありません。

神社や浄土真宗寺院は墓地が無い

 浄土真宗は前述通り、開祖の教えから墓地を備えていないお寺が多いのですが、神社も墓地がありません。神道教えは「死」を「穢れ」と捉えていますので境内に墓地がある事が許されないからです。近年では神社境内から少し離れた場所に墓地や納骨堂等の設備を備えた神社もあります。

墓地管理料は何に使う?

 ひとつは、雑草処理など景観を保つために人件費等に使用されます。もうひとつは施設の経年劣化による修繕費などに使用されます。

石屋の独り言

墓参には苦労しない石材店泣かせの墓地

 駐車場や水道も完備された墓地でも通路(参道)が極端に狭い墓地は据付建立の為の機械が通らず、全て人力建立となります。前述の「登って参る墓地」でも機械が入れば時間が必要なだけですが平坦でも建立部材を人力で運ぶのは危険も伴い、周囲のお墓に細心の注意が必要で苦労します(笑)。

墓地の地図記号

墓地の選び方

 以外と知られていませんが地図上で墓地を探す場合が結構あります。

75メートル×75メートル以上のものは特定地区界という点線で囲まれていますので結構大きな墓地であることが判ります。

関連キーワード

2016年10月02日|サポート情報:建墓