家紋と家名

家紋の探し方

家紋と家名

 写真はある田舎のお宅を撮影したものです。恐らく家紋と思われます。苗字は明治3年に平民にも許されましたが、それまでは家紋(屋号なども)などで所有物を示していました。

 数十年前では着物・こいのぼり・雛人形などにも施されていたものですが、現在ではそれらも見かけなくなりましたので家紋は廃れたも同然です。

 しかし、現在でも和型のお墓では家紋を石彫する事は多く、家紋をお聞きしても判らない方が大半を占めています。

 では、判らない場合の探し方です。御家のタンスの着物に付いていないか?鯉のぼりには?古い扇子には?実家や本家で尋ねる。又はお墓に石彫してないか?等です。弊社での経験値では実家や本家のお墓が一番多く、遠方の場合は携帯やスマホで写真を送って貰う事が多いです。

 家紋は実に5万種類あると言われてますが、弊社が所有している「金園社」発行の「正しい家紋5000種」に掲載されていない家紋に出会う事は粗ありませんし、十大家紋と言われる国内で多い家紋10選が大半を占めており写真を見れば大半は判明します。

 注意が必要なのは昔のお墓の石彫された家紋ですと当時の石彫技術は乏しく現在のように鮮明ではありませんので「実家の家紋と違う」と思われる事もありますがご理解頂けたらと存じます。

 家紋は左右又は上下対象の図形が多く、その大半は植物がモデルになっています。又その図形の外側に円(〇)があるものが多く存在し家紋名は「丸に〇〇」となります。

 苗字とも密接な関係があることが多く、例えば苗字に「藤」の字(藤本・藤木・高藤など)が含まれる場合は家紋も「藤紋」です。

家紋と家名

家紋は必ず必要か?

 必要ではありません。洋墓を選択される方の多くは家紋を入れません。和型の場合でも入れない方もおられますし「うちは下がり藤だけど、下がるは縁起が良くない気がするから上がり藤に変えてくれ」っとおっしゃる方もおられます。

 家紋は必ず継承する必要はなく、ご自分の代で変えても良いですし家紋帳に掲載の無い独自の家紋をオリジナルで作られてもOKです。

何処に家紋を石彫するのか?

家紋と家名

 地下式の場合は「水鉢(写真)」が殆どですが舞台式も前に香炉等で石彫した家紋を塞ぐ形にならない場合は「水鉢(写真)」に石彫します。これはお墓を正面から見て家紋が他の部材で一部見えなくなると非常に体裁が悪くなる為、舞台式の場合は「水鉢(写真)」以外に石彫します。家紋を石彫する箇所(部材)に決まりはありませんが竿石(仏石)には石彫しない方が良いでしょう。地下式の場合は「水鉢(写真)」が大半見える為「水鉢(写真)」に石彫することが定番となっています。

 洋墓舞台や和墓舞台の「水鉢(写真)」以外の主な石彫部材

家紋と家名家紋と家名家紋と家名

 家名も家紋の彫る部材と同じです。例えば家紋を花立に彫った場合は家名を上台に彫ったり、家名を蓋や扉に彫った場合、家名は花立に彫ったりし同じ部材に家紋と家名は一緒に彫りません。又、家名を竿石(仏石)に彫った場合には他の部材に家名を彫りません。但し親柱(門柱)がある大きなお墓には複数個所に家紋や家名を入れる場合があります。

 花立や扉の様に対である部材に彫る場合は双方に同じものを石彫します。

石彫デザイン種別

家紋と家名

 写真は「八つ割り寄生の花」という家紋です。石彫する方法の基本で「彫り」と「浮き」があります。文字の場合は「彫り」が多く写真では黒の部分が凹になります。逆に「浮き」は写真右で白の部分が凸になります。

家紋と家名家紋と家名

 写真は共に「浮き」ですが、左は「額」有りで右は「額無し」です。共に黒が凹になりますが、昔のお墓は左の額有りが大半ですが凹の面積が多い為、折角磨いた石材面積を損ないますので現在は余りお薦め出来ません。家紋も右の額無より小さくなるのがデメリットです。右の額有りは家紋の外縁を丸く彫り(写真)家紋を浮かせる方法を取ってます。前述の「彫り」と同様に石材の磨き箇所を広く残せますのでお薦めです。

 説明の中でお判りかと存じますが文字や家紋は全ての部材を研磨した後に石彫します。

家名や墓誌(法名碑)の額

 

家紋と家名

 

家紋と家名

 家名や墓誌題目の場合、文字だけを「浮かせる」事は出来ませんので「浮き」の場合は額等を彫る必要があります。額が不要な場合、「彫り」で石彫します。

珍しい家紋は家紋帳で探す

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2016年04月08日|サポート情報:建墓, 豆知識