「徳山みかげ」と「山口県」と「澄川喜一さん」

「徳山みかげ」はお墓だけではない

東京スカイツリー

 古くから愛され続ける山口県銘石「徳山みかげ」非常に硬い御影石の為、磨きをかけると素晴らしい光沢が生まれます。産地は山口県周南市黒髪島ですので石材が輸入され始めるまでの山口県内のお墓は殆どが「徳山みかげ」になります。

 「徳山みかげ」はブランド名で徳山御影と書いても同じ石種ですが石材業では「徳山石」と呼称し単に「徳山」とも言う事もあります。採石会社は「黒髪石材株式会社(ヤナイグループ)」で原石販売は正規取扱店のみに限られてます。

 用途はお墓だけでなく建材やオブジェなど幅広く使用され国会議事堂にも使用されています。山口県内では道路の側溝・架橋・建造物の門柱・敷石とあらゆる所で目にする事が出来ます。

 中でも本ページでは巨大オブジェと徳山みかげについてお話をさせて頂きます。

コラム

御影石

 日本に存在する墓地にあるお墓の全てが御影石製と言っても過言ではない程、お墓には御影石が使われています。天然石はその生成工程から変成岩・堆積岩・火成岩の3種に大別され、そのうちの「火成岩」はマグマにより生成された石を指し、それらには安山岩や玄武岩などがありますが緩やかに冷やされ生成された複数の石の種類の中に花崗岩(英名:グラニット)があります。この花崗岩を日本固有呼称で「御影石」と呼びます。花崗岩は世界中に分布しており日本国内の各地でも沢山存在します。色や硬度など産地により様々で石材として扱われるものだけでも何百種類もあります。「徳山みかげ」は石種分類名称では「粗粒黒雲母花崗岩」という種にあたり黒又は灰色の背景に雪を降らせたような模様が特徴的です。

 

黒髪石材株式会社地図

 

澄川喜一さん

 島根県生まれで山口県立岩国工業高等学校を卒業され彫刻に魅せられ東京藝術大学彫刻科入学されました。その後石造彫刻にも見事なセンスを発揮され、全国にいくつもの野外彫刻に携わって来られてます。代表有名作は東京スカイツリーのデザイン。東京芸術大学名誉教授、岩国市名誉市民でもあり山口県はゆかりの地でもあります。

コラム

輸入御影石

 日本で扱われる輸入御影石は日本で産出される有名御影石に似たものが好まれる。代表的なのが愛媛で採石される「大島石」、石目は揃っていて小さい目の為、日本では人気が高い。その為、非常によく似た輸入石好まれる。よく似た輸入石は弊社が扱っているものでも10種類近くあり硬度が高いものもあれば吸水率の高いものもある。輸入石材の主な産地は中国とインドで加工は殆ど中国でされ輸入され取引は全てドル建てなので為替相場に左右されます。

 多くの人が輸入石は粗悪と思っているようですが自然界から産出される石ですから国産である日本でも同じ事で輸入石も国産石も良品・悪品は存在し変わらない。石の良し悪しはズバリ「硬度」で国内外でも硬度のある石は高価になります。

 弊社で取り扱いのある輸入石で最も人気のある石はアーバングレー(インド)、粗グレーだが薄い緑にも見える綺麗な石で硬度も高水準。その他の高級石材では北欧産ブルーパール(ノルウェー)薄いブルーの色が幻想的でお墓にするとオブジェのように見える。ベルファースト(南アフリカ)は真っ黒な石で黒系の石の中では最も高価。

 

「徳山みかげ」TO THE SKY

 「TO THE SKY」は東京スカイツリー屋外彫刻の題名で澄川喜一が作られました(デザイン)。設置場所は東京スカイツリータウン内の「ソラマ チひろば」で石柱1本の寸法が間口1.2m奥行き1.2m高さは10mにも及びます。その為重量も1本22t(トン)にも及び、それが3本そびえ立ってますので創大な石造彫刻になります。石種は全てが「徳山みかげ」で造られてます。

 石造物に携わりの無い一般の方は判り難いとは思いますが、この石造物を1本造る際の原石は517才(才さい:業界体積単位、約41tトン)一般の方のお墓の才数(さやすう)は全ての部材を合わせても15才~25才で一つの部材が最も大きいもので5才程度です。

更に大きい「徳山みかげ」TO THE SKY

 他にも澄川喜一さんの作品で「TO THE SKY」は全国に点在します。その中で最も大きい「TO THE SKY」が山口県にあります。場所は周南市、キリンビバレッジ周南市総合スポーツセンター前にあり高さは16.5m。東京スカイツリー前の「TO THE SKY」より20年近くも前の平成4年に設置されました。形は澄川喜一さんが主用テーマとされる「そりとそぎのあるかたち」で同じ題名ですから類似した形にデザインされています。大きな違いは山口県周南市の「TO THE SKY」は上半身が「切削仕上げ」で下半身は「割り肌仕上げ」に対し東京スカイツリーの「TO THE SKY」は上半身の3面が研磨されてます。

 どちらの「TO THE SKY」も一石(一つの石)で石種は「徳山みかげ」、採石及び製作も「黒髪石材株式会社」によるものですが、山口県周南市の「TO THE SKY」は一石で作られたモニュメントとしては日本最大級の大きさを誇るそうです。

 弊社も嘗ては採石(大津みかげ)を行っておりましたが一石の巨石のまま採石することは容易いことではありません。

 

周南総合スポーツセンター TO THE SKY 1992

周南総合スポーツセンター TO THE SKY 1992

コラム

石の仕上げ

 石の仕上げには複数の種類があります。普段、皆さんが目にする光沢のある石は原石を一旦機械で切り更に研磨したもので「磨き(研磨・光沢仕上げ)」といいます。機械などで切ったり削ったりした面の磨かない状態を「切削仕上げ」、この表面をビシャンという道具で叩いて割った(削った・傷付けた)仕上げを「ビシャン仕上げ」、ノミで割った(削った・傷付けた)ものを「ノミ仕上げ(ノミ切仕上げ)」、表面を火力で飛ばしたものを「バナー仕上げ」といいます。原石を切削機械などを使わずに単に割ったり折ったりした面を割り肌仕上げ(荒面とも)、光沢仕上げをした後にサンドブラストをかけたものを「サンドブラスト仕上げ」といい、文字や模様もこのサンドブラストで行います。

 

山口県にも多く楽しめる澄川喜一作品

  住所
北海道 釧路・札幌・洞爺湖
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中部 長野・松本・金沢・高山・岐阜・碧南
近畿 京都・大阪・姫路・神戸
四国 宇和島
中国 鳥取・倉吉・島根・井原・広島・大竹・山口
九州 大分空港・福津・大野・鹿児島

山口県内では

作品名 住所
日月星 岩国市岩国1丁目 錦川錦城橋河川敷
石の翼 岩国市横山2丁目 吉香公園
TO THE SKY & MOON 岩国市三笠町1-1-1 シンフォニア岩国
岩国市錦見2-4-85 山口県立岩国工業高校
TO THE SKY 1992 玖珂郡和木町和木1-3-1 和木美術館
TO THE SKY 1992 周南市大字徳山427 周南総合スポーツセンター
浦上敏朗先生像 萩市平安古586-1 山口県立萩美術館
鷺舞の譜 山口市滝町1丁目 県庁敷地
そりのあるかたち1984 山口市滝町1丁目 県庁舎内
フェニックスの翼 山口市滝町1丁目 県庁敷地
矢羽石 防府市佐波2丁目 西佐波緑地(旧西佐波公園)
防府市大字大崎77 山口県立総合医療センター
そりのあるかたち1981 宇部市上町1丁目 JR宇部新川駅前
そりのあるかたち1979 宇部市則貞3丁目 宇部市常磐公園
青春交響の塔 下関市あるかぽ~と 下関あるかぽ~と
國司浩助氏像 下関市丸山町5丁目 日和山公園

 

防府市佐波2丁目 西佐波緑地(旧西佐波公園)矢羽石

防府市佐波2丁目 西佐波緑地(旧西佐波公園)矢羽石

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2020年09月24日|サポート情報:建墓, 豆知識