竿石(仏石)は仏様

本当のお墓は一部分

竿石(仏石)は仏様

 多くの方は「お墓」というと石造された部分全てがお墓と思っていらっしゃいます。その認識でも全く問題はありませんが詳しく申しますとお墓の最上部に乗っている石がお墓です。非常に古いお墓には自然石で造られたお墓があります。元はこれがお墓の原型で徐々に加工し始め、粗、角柱の形になりました。やがて、その角柱を奉る為に台座を敷き、その上に角柱を置き、更に高く高く・・というふうに豪華になってきました。

今度は退化した?

今度は退化した?

 前述のように云わば「進化」してきたお墓ですが、最近ではシンプル化してきています。大正・昭和初期のお墓には上台と呼ばれる最上部の角柱(これを竿石・棹石・仏石と呼ぶ))の直ぐ下の台石が蓮華と呼ばれる装飾彫りが施された石や、角柱(竿石)そのものの上部に剣やこぶを装飾したり、角柱(竿石)正面の文字を彫る箇所を額縁で彫り込みを施すなど彫刻ともいえる非常に手間を必要とする装飾がされたお墓が多くあります。

 現在でもそうした装飾は可能ですが当然コストがかかる為、その分別途料金が加算される事になります。また、凝った造りをすると汚れが付着し易く掃除がし難いというデメリットがあり現在の主流はシンプルなデザインが多く売れています。

南無阿弥陀佛や南無釈迦牟尼佛の佛

南無阿弥陀佛や南無釈迦牟尼佛の佛

 〇〇家之墓と記されたお墓も多いのですが南無阿弥陀佛や南無釈迦牟尼佛と記されたお墓も目にする事が多いと存じます。これらは宗派により文言は異なりますが、他には南無大師遍照金剛、南無妙法蓮華経、稀に南無観世音菩薩(宗派問わず)などとあります。

 よくみるとお判りでしょうが、これらは全て仏様の名です。つまり角柱(竿石)の部分(部材)は仏様なのです。本当はお墓の最上部にはそれぞれの宗派に属する仏様(仏像)を置きたい(お寺の本堂のように)のですが仏像の石造物を置くとなるとお墓が高額になってしまいます。そこで角柱に文字で「佛」を彫り込み仏様(仏像)としたのです。

 実際にお寺や霊園にある「堂」と呼ばれる大きなお墓(合葬墓など)の最上部には仏像が置かれている事が多く、個人のお墓でも仏像を置かれる方もおられます。

現在の個人のお墓も堂に

 家単位のお墓を「家墓」とも言いますが現在の家墓も「堂」に近くなってます。実際に骨壺やお骨を納める箇所を納骨室(カロート)と言いますが昔のお墓は納骨室が地下にあるのが一般的でしたが今は地上型で大きな石の箱を作り、その上にお墓を設置する形が主流です。これを舞台型・舞台式などと呼び、納骨される入口も簡単に開閉できる仕組みになってます。

 現在の納骨室は墓地の広さの約の3分の1~半分もありお骨壷やお骨が沢山入るようになってきてます。云わば「お墓」というより「堂」に近くなってきている訳です。

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2018年11月01日|サポート情報:ご遺族の方へ, 豆知識