永代使用権
大変多くの方々が勘違いをされておられるのが「墓地の所有権」。墓地の取得方法は様々な形態があります。代々受け継いだ墓地、抽選で市営墓地を購入、菩提寺の墓地を買った、近くの地区墓地を買った等です。大半の方がお金を支払い購入されておられますので「買った」ものはご自分の所有物と勘違いされます。
市営や公営墓地の場合、購入後「墓地使用許可証」等と書かれた書類が発行され「使用規約」「建立規定」などを渡されますので「使用」や「規定」という言葉でお判りかと存じますが、それ以外の方はお金を支払い領収書を頂くだけですので、自分名義の所有土地と勘違いされます。
墓地はご自分の家の敷地に建立される(※注1)以外は使用する権利を買うのであり、ご自分の土地ではありません。使用権利を購入することになります。よって法務局に行かれ謄本を見られても該当土地は他人名義になっているのです。
墓地の承継
墓地は代々永く使用する為、永代使用権利とも言われます。どの形態の墓地も購入した際の購入者の名義が登録されていますのでその購入者が亡くなれば次の代の方に墓地の承継を行わなければなりません。
また、墓地の承継は親族に値する方以外は出来ません。
墓地の売買
墓地は借地ですので基本売買は出来ません。市営や寺院墓地の場合、墓地の返還を行えば購入時の金額の半額程度返金される事もあります。地区の墓地の場合、管理人の許可があれば権利の売買は可能ですが多くは管理組合に該当墓地を返還し返金も無い事が多いようです。
墓地のトラブル
墓地でトラブルが多いのは地区墓地(村墓地)と言われる昔ながらの墓地です。このような墓地は管理者が存在しない、存在していても管理義務が無い為、責任も存在しません。よって昨年買った墓地に「誰かが」お墓を建てているというトラブルが発生します。
弊社の場合、管理人が存在しない場合は施主さまに確認書を書いて頂き、管理人が存在する場合は管理人さまに書面をもって承認を頂くようにしておりますが数年に一度はトラブルが発生します。
トラブル回避方法
勿論、責任を持ってボランティアで管理されておられる管理人様もおられますがトラブルを避けるためには使用権利者が自ら何らかの形で処置を行う事です。
- 購入した墓地にブロックなどを置く。
- 購入した墓地の四隅に杭を打ち込む。
- 購入した墓地に姓を彫った石材を建てる。
- 購入した墓地に外柵を設置する。
- 購入した墓地にコンクリート土間を打つ。
- お墓が無くても定期的に購入した墓地の雑草除去を行う。
- 決められた墓地清掃には必ず参加する。
- 建立する前に管理人と現地に出向き確認する。
トラブルに遭遇したら
市営や寺院墓地の場合は所有管理者に委ねます。大抵の場合、代替え墓地を用意して頂けます。
地域墓地の場合、管理者には責任を問えない為、管理者を交えた三者での話し合いをし最終的には当事者同士での話し合いで和解することをお薦め致します。
墓地は借り物(借地)ですし簡易的は領収書や使用許可証が存在しても法的な効力は持ちません。被害者・加害者もお互い熱くならないように話し合いをする事が重要です。万一、建立後であった場合には代替え墓地を購入して頂き代金は加害者側が負担するなどして和解することをお薦め致します。
墓地は亡くなられた方を葬る特別な場所です。使用する者同士、譲り合い、助け合いの関係を心掛けたいものです。
※注1:例えご自分の土地であってもお墓の建立は出来ません。お墓の場合は墓地としての許可がされた土地以外では建立出来ません。